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[2010.3] Update |
動物のスキンケアの基礎知識 |
皮膚の構造について
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ヒトも動物も皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層から構成されています。
さらに表皮細胞は細胞分裂を行う下層から上方へ向かって移動し、段階的に基底層、有棘層、顆粒層、角質層と呼ばれます。
まずは、ヒトの皮膚とどのような違いがあるのかをご説明します。 |
ヒトと動物の皮膚の違い |
以下はヒトと動物それぞれの皮膚の構造を図にしたものです。 |
◆皮膚の違い |
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ヒト |
動物 |
毛の数 |
1つの毛包に1本 |
1つの毛包に複数本 |
毛包の分布 |
一部 |
ほぼ全身 |
エックリン汗腺の分布 |
ほぼ全身 |
一部(肉球) |
アポクリン汗腺の分布 |
一部(脇の下など |
ほぼ全身 |
ターンオーバー* |
約26日 |
約20日 |
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* ターンオーバーとは…表皮回転率(皮膚が生まれ変わる日数 |
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◆表皮構造の違い |
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ヒト |
動物 |
表皮の厚さ |
厚い(10〜15層) |
薄い(2〜3層) |
表皮のPH |
4,0〜4,9 |
5,5〜7,2 |
汗腺 |
エックリン汗腺
(水っぽい汗) |
アポクリン汗腺
(においのもと) |
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最も重要なバリア、角質層 |
次は、角質層について…。
皮膚のバリアとして重要なのが表皮です。そして、表皮の一番外側にある「角質層」が最も重要なバリアなのです。 |
◆角質層のつくり
角質層はすでに死んでしまった角質細胞がピッタリとくっついて何層にも重なっており、間に脂質、主にセラミドが重なっています。これが強力にバリアとなって体の生きている細胞をさまざまな物質から守ってくれています。 |
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◆角質層が異常だとどうなるの?
○水分を保てない
○油分を保てない
○侵入物を防げない
○細菌やマラセチアを増やしてしまう
角質層に異常が起こると、バリア機能が低下して細菌や真菌、アレルギーの原因物質が皮膚に侵入しやすくなり、皮膚のトラブルとなります。 |
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目に見えない、動物の皮膚の構造についてご紹介しました!!
少し難しいですが、ヒトと動物の皮膚の違いは分かりましたか?
1つの毛包から1本の毛が生えるヒトとは異なり、動物は1つの毛包から何本も毛が生えていますね。それに汗腺にも種類があり、ヒトと動物では出てくる場所も違いますね。
次回は動物のスキンケアについて書きたいと思います。
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参考文献: 「正しいシャンプーの使い分けと使用方法」JBVP
2009年次大会 |
(上野 杏子) |
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